洗濯機の寿命は何年？壊れる前兆と修理・買い替えの見極めポイントを解説

「最近、洗濯機の調子が悪い気がする…」「もう10年近く使っているけど、まだ大丈夫かな？」そんな不安を抱えていませんか？

洗濯機の寿命は平均10年と言われていますが、実は使い方や環境によって5年で壊れることもあれば、15年以上使えることもあります。大切なのは、洗濯機が発する「寿命のサイン」を見逃さないことです。

この記事では、洗濯機の平均的な寿命年数から、故障の前兆となる8つのサイン、修理と買い替えの判断基準まで詳しく解説します。さらに、洗濯機を長持ちさせる具体的な方法もご紹介。毎日使う家電だからこそ、適切なタイミングでの買い替えと、長く使うためのコツを知っておきましょう。

異音がする、水漏れが起きた、電源が入らない…そんな症状が出ても、すぐに「故障だ！」と慌てる必要はありません。まずはこの記事を読んで、あなたの洗濯機の状態を正しく把握してみてください。

洗濯機の寿命は何年？平均使用年数と標準使用期間

洗濯機から変な音がしたり、調子が悪くなってきたりすると「そろそろ寿命かな？」と心配になりますよね。結論から言うと、洗濯機の寿命は約10年です。ただし、これはあくまで平均的な話。実際には使い方や環境によってかなり差が出てきます。

実際の平均使用年数は約10年

内閣府が2024年3月に実施した消費動向調査では、洗濯機の平均使用年数は10.9年という結果が出ています。興味深いのは、買い替えた人の約75％が「故障」を理由にしていることです。

つまり、10年前後で何らかの不具合が起きる可能性が高いということですね。小学1年生のときに買った洗濯機が、高校生になる頃に寿命を迎える。そんなイメージです。

実際のところ、7〜8年目くらいから「なんとなく調子が悪い」と感じ始める方が多く、10年を超えると「そろそろ買い替えかな」と考え始めるタイミングになります。

メーカーが定める標準使用期間は6〜7年

洗濯機本体をよく見ると、製造年や「設計上の標準使用期間」が書かれたシールが貼ってあります。この標準使用期間、実はほとんどのメーカーで6〜7年に設定されているんです。

「えっ、実際は10年使えるのに？」と思うかもしれません。これはメーカーが安全性を最優先に考えて設定した期間なので、実際の寿命より短めになっているんです。ただ、この期間を過ぎると部品の劣化が進んで、発火などのリスクが少しずつ高まることは覚えておいたほうがいいでしょう。

部品保有期間は製造終了から6年間

意外と知られていませんが、洗濯機が故障したときに修理できるかどうかは「部品があるか」で決まります。メーカーには製造終了から6年間、修理用部品を保管する義務があります。逆に言えば、それ以降は部品がなくて修理できない可能性があるということです。

特に注意したいのが、型落ち品を安く購入した場合です。すでに製造終了から数年経っていることもあり、思ったより早く「部品がないので修理できません」と言われてしまうかもしれません。購入時は製造年もチェックしておくと安心ですね。

洗濯機の寿命が近づいているサイン8つ

洗濯機は突然壊れることもありますが、実は寿命が近づくと様々なサインを出してくれます。「最近なんか調子悪いな」と感じたら、以下の症状が出ていないかチェックしてみてください。

洗濯中に異音がする

洗濯機から「ガリガリ」「キュルキュル」といった普段と違う音がしたら要注意です。特にキュルキュルという音は、内部のベルトが劣化しているサインかもしれません。

カラカラという音なら、ポケットから出た小銭や鍵が原因のこともあります。まずは洗濯槽の中を確認してみましょう。それでも音が続くようなら、モーターやベルトの寿命が近い可能性が高いです。

電源が入らない・操作パネルが反応しない

ボタンを押しても反応しない、表示が薄くなってきた。こんな症状は制御基板の劣化が原因かもしれません。ただし、慌てる前にまずコンセントを抜いて10分ほど待ってから再接続してみてください。意外とこれで直ることもあります。

それでもダメなら、残念ながら内部の電子部品が寿命を迎えている可能性が高いでしょう。6年以上使っている洗濯機なら、買い替えを検討する時期かもしれません。

水漏れが発生する

洗濯機の下が濡れていたら、まず給水ホースや排水ホースの接続部分を確認してください。緩んでいるだけなら締め直せば解決します。でも、本体の底から水が漏れている場合は洗濯槽自体の劣化が考えられます。

特に集合住宅では階下への水漏れトラブルになる可能性もあるので、早めの対処が必要です。

給水・排水がうまくできない

「水がたまらない」「排水されない」という症状は、必ずしも故障とは限りません。まず蛇口が開いているか、排水口にゴミが詰まっていないか確認してみましょう。

排水ホースや糸くずフィルターを掃除しても改善しない場合は、内部のポンプや弁が故障している可能性があります。10年近く使っているなら、そろそろ寿命のサインと考えてもいいでしょう。

脱水機能が低下する

洗濯物がびしょびしょのまま終わってしまう。これはモーターの劣化が原因のことが多いです。洗濯物を入れすぎていないか、偏っていないか確認しても改善しない場合は、脱水モーターが弱ってきている証拠です。

完全に脱水できなくなると、部屋干しの時間も長くなって大変ですよね。早めの対処を考えましょう。

異臭がする

カビ臭いのは洗濯槽の汚れが原因のことが多く、洗濯槽クリーナーで解決することもあります。でも、焦げ臭いニオイがしたら即使用中止してください。モーターやベルトが摩耗している可能性があり、火災の危険があります。

雑巾のようなニオイが取れない場合も、内部の部品が腐食している可能性があるので注意が必要です。

乾燥機能が十分に働かない

ドラム式洗濯機で「乾燥時間が長くなった」「生乾きで終わる」という症状が出たら、まず乾燥フィルターを掃除してみてください。それでも改善しない場合は、ヒーターやファンの劣化が考えられます。

乾燥機能は部品が多い分、故障しやすい部分でもあります。修理費用が高額になることも多いので、使用年数によっては買い替えを検討したほうがいいかもしれません。

電源コードが熱くなる・変色している

これは最も危険なサインです。電源コードが異常に熱を持っていたり、変色していたりする場合は、すぐに使用を中止してください。コンセント部分でトラッキング現象が起きている可能性があり、最悪の場合火災につながります。

「まだ使えそう」と思っても、安全には代えられません。すぐにメーカーや修理業者に連絡しましょう。

洗濯機が故障した時の対処法

洗濯機の調子が悪くなったとき、すぐに「壊れた！」と慌てる必要はありません。実は簡単な確認で解決することも多いんです。まずは落ち着いて、以下の手順で対処してみましょう。

まずは確認すべき基本的なチェックポイント

意外と見落としがちな基本的なポイントがいくつかあります。電源プラグがしっかり差さっているか、ブレーカーが落ちていないか、まずはここから確認してください。

次に、蛇口が開いているか、給水ホースが折れ曲がっていないかもチェック。「なんだ、そんなこと」と思うかもしれませんが、実際これで解決するケースは結構あるんです。

エラーコードが表示されている場合は、取扱説明書で内容を確認しましょう。メーカーのホームページでも確認できます。エラーの内容によっては、洗濯物の入れすぎや偏りが原因のこともあります。

症状別の応急処置方法

給水されない場合は、給水フィルターにゴミが詰まっていることがあります。蛇口を閉めて給水ホースを外し、フィルターを掃除してみてください。小さなブラシや歯ブラシで軽くこすれば、意外と簡単にきれいになります。

排水できない場合は、排水口の掃除から始めましょう。髪の毛や糸くずが絡まって詰まっていることが多いです。排水ホースも外して中を確認してみてください。ただし、無理に引っ張ったり曲げたりすると破損の原因になるので注意が必要です。

異音がする場合は、まず洗濯槽の中に異物がないか確認。それでも音が続く場合は、洗濯機を水平に設置し直してみるのも一つの方法です。がたつきが原因で異音がすることもありますから。

メーカーや修理業者への相談タイミング

基本的なチェックや応急処置をしても改善しない場合は、プロに相談する時期です。特に電源コードの発熱、焦げ臭いニオイ、本体からの水漏れといった症状が出たら、すぐに使用を中止してメーカーに連絡しましょう。

修理の相談をする際は、洗濯機の型番と製造年、具体的な症状を伝えると話がスムーズです。保証期間内なら無料で修理してもらえることもあるので、保証書も確認しておきましょう。

ちなみに、メーカー以外にも家電修理の専門業者という選択肢もあります。メーカー修理より安く済むこともありますが、純正部品を使わない場合もあるので、そのあたりは事前に確認しておくといいでしょう。

修理か買い替えか？判断する3つの基準

洗濯機が故障したとき、修理して使い続けるか、思い切って買い替えるか。悩ましい選択ですよね。修理代で数万円かかるなら、新品を買ったほうがいいのでは？と迷う気持ちもよくわかります。ここでは判断の目安となる3つの基準を紹介します。

使用年数で判断する

6年未満なら修理、7年以上なら買い替えというのが一つの目安になります。なぜ6年かというと、メーカーの部品保有期間が製造終了から6年だからです。

5年以内の故障なら、修理してもまだ数年は使える可能性が高いです。一方、8年、9年と使っている洗濯機は、今回修理しても別の箇所が壊れる可能性があります。「去年モーターを修理したのに、今度は基板が…」なんてことになったら、結局高くついてしまいます。

修理費用と買い替え費用を比較する

メーカー修理の場合、簡単な部品交換なら1〜2万円で済みますが、基板交換となると5万円以上かかることもあります。ドラム式洗濯機の場合はさらに高額で、7〜8万円になることも。

一方、新品の洗濯機は縦型なら5万円前後から購入できます。修理費用が新品価格の半分を超えるなら、買い替えを検討したほうがいいでしょう。特に10年近く使っている場合は、修理してもすぐに別の故障が起きる可能性を考えると、買い替えのほうが結果的にお得かもしれません。

最新機種の省エネ性能を考慮する

実は最新の洗濯機、かなり進化しているんです。10年前の機種と比べると、電気代や水道代が大幅に安くなっています。

ある調査では、2006年製から2014年製のドラム式洗濯機に買い替えた場合、年間の電気代が約7,300円も安くなったという結果が出ています。毎日洗濯する家庭なら、この差は大きいですよね。5年使えば3万円以上の節約になる計算です。

さらに最新機種は洗剤自動投入や温水洗浄など、便利な機能も充実しています。修理して古い機種を使い続けるより、新しい機種で快適に洗濯できることを考えると、買い替えの価値は十分あるでしょう。

洗濯機の寿命を延ばす6つの方法

洗濯機を10年以上使っている家庭もあれば、5年で壊れてしまう家庭もあります。この差は何なのでしょうか？実は日頃のちょっとした心がけで、洗濯機の寿命は大きく変わってくるんです。

定期的なメンテナンス（月1回の洗濯槽洗浄）

洗濯槽の裏側、実はかなり汚れているんです。皮脂汚れや洗剤カスがこびりついて、カビの温床になっています。月1回、洗濯槽クリーナーを使って掃除するだけで、洗濯機の寿命はぐんと延びます。

面倒に感じるかもしれませんが、2ヶ月に1回でも効果はあります。最近の洗濯機なら「槽洗浄コース」がついているので、クリーナーを入れてボタンを押すだけ。意外と簡単です。

洗濯物を詰め込みすぎない（7割程度が目安）

「まとめて洗ったほうが水道代の節約になる」と思って、ぎゅうぎゅうに詰め込んでいませんか？実はこれ、洗濯機にとってはかなりの負担なんです。モーターに無理な力がかかって、寿命を縮める原因になります。

洗濯槽の7割程度が適量です。洗濯物がゆったり動く余裕があれば、汚れ落ちもよくなって一石二鳥ですね。

洗剤の適量使用を守る

汚れがひどいからといって、洗剤を多めに入れるのはNGです。溶け残った洗剤が洗濯槽にこびりついて、カビやヘドロの原因になります。最悪の場合、排水口を詰まらせることも。

洗剤のパッケージに書いてある使用量を守るだけで、洗濯機への負担は大きく減ります。最近は濃縮タイプの洗剤も多いので、「こんなに少なくていいの？」と思うかもしれませんが、それで十分なんです。

使用後は蛇口を閉める

洗濯が終わったら、蛇口を閉める習慣をつけましょう。開けっぱなしにしていると、給水ホースに常に水圧がかかり続けることになります。

これが原因で、ある日突然ホースが外れて水漏れ…なんてことも。特に集合住宅では階下への水漏れトラブルになりかねません。ちょっとした手間ですが、大きなトラブルを防ぐことができます。

屋内設置で雨風から守る

ベランダに洗濯機を置いている方も多いと思いますが、雨風や直射日光は洗濯機の大敵です。プラスチック部品が劣化したり、雨が内部に入り込んで故障の原因になったりします。

屋外設置の場合は、専用のカバーをかけるだけでもかなり違います。2,000円程度で買えるので、洗濯機の寿命を考えれば安い投資ですよね。

ポケットの中身を確認して異物混入を防ぐ

ティッシュを入れたまま洗濯してしまった経験、誰でもあるのではないでしょうか。小銭や鍵などの硬いものは、洗濯槽を傷つけたり、排水口を詰まらせたりする原因になります。

洗濯前のポケットチェック、面倒ですが習慣にしてしまえば苦になりません。家族みんなで「ポケットは空にしてから洗濯カゴへ」というルールを決めておくといいでしょう。

買い替えのベストタイミング

洗濯機を買い替えるなら、できるだけお得に購入したいですよね。実は洗濯機には「安くなる時期」があるんです。タイミングを狙えば、同じ機種でも数万円の差が出ることもあります。

モデルチェンジ時期を狙う

洗濯機の新モデルが出ると、旧モデルは一気に値下がりします。縦型洗濯機は4〜5月頃、ドラム式洗濯機は8〜9月頃にモデルチェンジすることが多いので、この時期の前後が狙い目です。

「最新機種じゃなくてもいい」という方なら、旧モデルでも十分高機能です。むしろ1年前のモデルなら、口コミも多くて選びやすいというメリットもあります。型落ち品なら3〜4割引きになることもあるので、かなりお得です。

新生活シーズンのセール期間

3月前後の新生活シーズンは、家電量販店が一斉にセールを行います。洗濯機単体でも安くなりますが、冷蔵庫やレンジとセットで購入すると、さらに割引率が上がることも。

ただし、この時期は配送や設置工事が混み合うので、早めの予約が必要です。特に引っ越しシーズンと重なる3月下旬は、希望の日程で設置してもらえないこともあるので注意しましょう。

年末年始のセールも狙い目ですが、実は3月のほうが在庫処分の意味合いが強く、値引き幅が大きい傾向があります。急ぎでなければ、この時期まで待つのも一つの手ですね。

寿命を迎えた洗濯機の処分方法

洗濯機が寿命を迎えたら、適切に処分する必要があります。実は洗濯機、粗大ごみとして捨てることはできません。家電リサイクル法の対象品目なので、決められた方法で処分しなければならないんです。

家電リサイクル法に基づく正しい処分手順

洗濯機を処分するには「リサイクル料金」と「収集運搬料金」が必要です。リサイクル料金は2,530円〜3,280円程度、収集運搬料金は業者によって異なりますが、だいたい1,000円〜3,000円くらいです。

処分方法はいくつかあります。新しい洗濯機を購入する店で引き取ってもらうのが一番簡単です。配送と同時に古い洗濯機を持って行ってもらえるので、手間がかかりません。

自分で指定引取場所に持ち込むという方法もあります。収集運搬料金がかからないので少し安くなりますが、重い洗濯機を運ぶのは結構大変。車がないと難しいでしょう。

購入した店がわからない、引っ越してしまったという場合は、自治体に相談してみてください。多くの自治体で、家電リサイクル品の収集を行っている業者を紹介してくれます。

下取りサービスの活用方法

最近は家電量販店の下取りサービスも充実しています。古い洗濯機がどんなに古くても、壊れていても下取りしてくれる店舗もあります。新品購入時に値引きになるので、実質的にリサイクル料金分くらいは戻ってくることも。

ネット通販でも下取りサービスを行っているところが増えています。新しい洗濯機の配送時に、古い洗濯機を引き取ってくれるので便利です。ただし、階段の上げ下ろしなどで追加料金がかかることもあるので、事前に確認しておきましょう。

リサイクルショップという選択肢もありますが、10年以上使った洗濯機は買取不可のことがほとんど。5年以内の比較的新しい機種なら、買い取ってもらえる可能性があります。

まとめ

洗濯機の寿命は平均10年。でも使い方次第で5年で壊れることもあれば、15年使えることもあります。大切なのは、寿命のサインを見逃さないことと、日頃のメンテナンスです。

異音や水漏れ、電源コードの発熱などの危険なサインが出たら、すぐに使用を中止しましょう。修理か買い替えかは、使用年数と修理費用を天秤にかけて判断することが大切です。

洗濯機を長持ちさせたいなら、月1回の洗濯槽掃除、洗濯物は7割程度、使用後は蛇口を閉める。これだけでも寿命は大きく変わってきます。

もし買い替えるなら、モデルチェンジ時期や新生活シーズンを狙えばお得に購入できます。処分する際は家電リサイクル法に従って、適切に処分しましょう。洗濯機は毎日の生活に欠かせない家電だからこそ、上手に付き合っていきたいですね。