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無料出張買取はなんでも査定のトータル買取査定コラム掛け軸の価値の見分け方|印刷と肉筆の違いから箱の重要性まで徹底解説
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掛け軸の価値の見分け方|印刷と肉筆の違いから箱の重要性まで徹底解説

掛け軸の価値の見分け方|印刷と肉筆の違いから箱の重要性まで徹底解説

実家の蔵や押し入れから古い掛け軸が出てきたとき、「これには価値があるのだろうか?」と気になりますよね。一見するとボロボロに見える掛け軸が、実は数百万円の価値を持つ名品だったというケースは珍しくありません。

しかし、掛け軸の世界は奥が深く、素人がパッと見ただけで正確な価値を判断するのは非常に難しいのが現実です。特に近年は、精巧な印刷技術で作られた工芸品も多く出回っており、本物の「肉筆(手書き)」か、価値の低い「印刷」かを見分けるだけでも一苦労です。

この記事では、初めての方でも実践できる掛け軸の価値の見分け方について、プロの鑑定ポイントを交えながらわかりやすく解説します。特に重要な「印刷と肉筆の違い」や「箱の重要性」については詳しく掘り下げていますので、ぜひ手元の掛け軸を確認しながら読み進めてみてください。

掛け軸の価値を決める3つの基本要素

掛け軸の価値を見分ける際、鑑定士は主に何をチェックしているのでしょうか? 細かいポイントは多数ありますが、大まかに言うと価値は「作家」「時代」「状態」の3つの要素の掛け合わせで決まります。

まずは、この3つの基本要素がどのように価値に影響するのか、その仕組みを理解しておきましょう。

1. 誰が描いたか(作家の人気と知名度)

最も大きく価値を左右するのは、やはり「誰の作品か」という点です。歴史的に名の知れた有名画家の作品であれば、それだけで数十万、数百万という値がつく可能性があります。

特に、伊藤若冲や円山応挙といった江戸時代の大家や、横山大観などの近代日本画の巨匠による作品は、市場での需要が非常に高く、高額で取引されます。また、作家自身の知名度だけでなく、「その作家の全盛期に描かれたものか」や「代表的なモチーフ(得意な絵柄)か」といった点も評価の対象になります。

2. いつ描かれたか(時代と希少性)

骨董品の世界では、古ければ古いほど良いとされる傾向があります。これは、長い年月を経て現存していること自体に「希少価値」が生まれるからです。

例えば、室町時代や鎌倉時代の仏画などは、たとえ作者が不明であっても、その時代の文化遺産としての資料的価値が認められ、数百万円以上の価値がつくこともあります。ただし、単に古いだけでなく、その時代特有の紙や絹の質感が残っているかが重要です。

3. コンディション(保存状態)

いくら有名作家の古い作品でも、ボロボロで絵が見えない状態では価値は激減します。特に日本の掛け軸は紙や絹で作られているため、湿気や虫害に非常に弱いという特徴があります。

しかし、ここで注意したいのが「古い=汚い」ではないということです。経年による自然な古色(味わい)は評価されますが、管理不足による致命的な「カビ」「破れ」「大きなシミ」はマイナス査定となります。逆に、古いものでも大切に保管され、状態が良いものは「保存状態極良」として評価が跳ね上がります。

【最重要】印刷と肉筆(手書き)の決定的な見分け方

掛け軸の価値を見分ける上で、最初の、そして最大のハードルとなるのが「印刷(工芸画)」か「肉筆(手書き)」かの判別です。

一般的に、価値が高いのは作家が直接筆を振るった「肉筆」です。一方、お土産物や観賞用として大量生産された「印刷」の掛け軸には、骨董品としての価値はほとんどつきません(数百円〜数千円程度)。

ここでは、プロでなくてもチェックできる、印刷と肉筆を見分ける具体的なポイントを解説します。

ルーペで網点(ドット)を確認する

最も確実で簡単な見分け方は、虫眼鏡やルーペを使って、絵の表面を拡大して見ることです。

もし、絵の中に規則正しく並んだ小さな点(ドット)が見えたら、それは「オフセット印刷」などの印刷物である可能性が極めて高いです。これを「網点(あみてん)」と呼びます。新聞の写真を虫眼鏡で見たときの状態をイメージしてください。

一方、肉筆の場合は、筆で描かれた線が滑らかに続いており、点が集合しているようには見えません。網点が見えた時点で、その掛け軸は印刷(コピー)であると判断してほぼ間違いありません。

筆跡と墨の濃淡を見る

ルーペがない場合は、墨や絵具の「立体感」に注目してください。

肉筆の掛け軸は、筆の運びによって墨の濃さが変わったり、絵具が重なっている部分がわずかに盛り上がったりしています。特に「はらい」や「とめ」の部分には、描き手の勢いや筆圧の強弱が表れます。

これに対し、印刷の掛け軸は全体的に「のっぺり」としていて平坦です。墨の濃淡も均一的で、筆の勢い(カスレや滲み)さえもが人工的に再現されているため、不自然なほど整っていることが多いのです。「綺麗すぎる」と感じたら、印刷を疑ってみる必要があります。

比較表:印刷と肉筆の特徴

判断に迷ったときは、以下の表を参考に複数のポイントをチェックしてみてください。

チェック項目肉筆(手書き・価値あり)印刷(工芸画・価値低)
拡大した様子筆の線が連続している。絵具の粒子が見えることもある。規則正しいドット(網点)が見える。
表面の質感絵具の盛り上がりや厚みを感じる。筆跡に凹凸がある。全体的に平坦でツルツルしている。均一な質感。
墨の滲み(にじみ)紙の繊維に沿って自然に不規則に滲んでいる。滲みの形が不自然に整っている。滲み自体が印刷されている。
匂い古い墨や膠(にかわ)、防虫香の独特な香りがする。特有のインクの匂い、または化学的な匂いがする場合がある。
価格帯(目安)数万円〜数千万円(作家による)数百円〜数千円

※近年では「コロタイプ印刷」のような、網点が出にくい精巧な印刷技術も存在します。ルーペで見ても判断がつかない場合は、無理に自己判断せず専門家に見てもらうことをおすすめします。

箱で価値が変わる?「共箱」と付属品の重要性

「掛け軸本体さえ無事なら、箱なんて捨ててしまってもいい」と思っていませんか? 実は、掛け軸において箱は本体と同じくらい重要な価値を持っています。

特に「共箱(ともばこ)」と呼ばれる箱があるかどうかで、買取価格が2倍〜数倍も変わることがあるのです。ここでは、箱の種類の見分け方と、付属品の重要性について解説します。

「共箱」と「合わせ箱」の違い

掛け軸が入っている桐箱には、大きく分けて「共箱」と「合わせ箱(あり合わせの箱)」の2種類があります。

  • 共箱(ともばこ):作家本人が、その作品のために用意し、箱の蓋に「作品名」と「自分の署名」を書いた箱のこと。言わば「作家自身による保証書」です。
  • 合わせ箱:後から作品に合わせて作られた、または別の作品が入っていた箱を流用した箱。作家の署名はありません。

見分け方はシンプルです。木箱の蓋の表や裏を見て、掛け軸の中にある署名と同じ筆跡で文字が書かれているかを確認してください。もし同じ筆跡で署名と印(ハンコ)があれば、それは「共箱」であり、本物であることの強力な証明になります。

鑑定書や「極め書き」の有無

有名な作家の作品であっても、共箱がない(失われた)ケースは多々あります。その代わりとなるのが「鑑定書」や箱書きの「極め(きわめ)」です。

「極め書き」とは、作家の遺族や弟子、あるいは著名な鑑定家が「これは間違いなく〇〇先生の作品です」と箱に署名したものを指します。これを「識箱(しきばこ)」とも呼びます。

また、所定の鑑定機関が発行した正式な「鑑定書」が付属している場合は、真作(本物)であることが保証されるため、最も高い評価がつきます。もし箱の中に紙類が入っていたら、絶対に捨てずに保管しておいてください。

落款(らっかん)と署名から作家を特定する方法

掛け軸の価値を知るためには、「誰が描いたか」を知ることが不可欠です。しかし、達筆すぎて名前が読めないことも多いでしょう。そんなときに手がかりとなるのが、絵の隅にある「落款(らっかん)」と「署名」です。

落款とは?読み解くためのステップ

落款とは、完成した作品に作家が押す「印章(ハンコ)」と「署名(サイン)」の総称です。通常は絵の左下や右下に配置されています。ここから作家を特定するには、以下の手順を試してみてください。

1. 署名の文字を推測する

まずは崩し字で書かれた署名を解読します。読める漢字が1文字でもあれば、それをヒントに検索が可能です。例えば「〇〇山人」や「〇〇画」といった号(ペンネーム)が使われていることがよくあります。

2. 「落款辞典」を活用する

図書館や書店にある『落款花押大辞典』などの専門書を使うと、ハンコの形や文字から作家を探し出すことができます。これはプロの鑑定士も使う由緒ある方法です。

3. インターネット画像検索を利用する

スマホで落款部分を鮮明に撮影し、Googleレンズなどの画像検索機能を使ってみるのも一つの手です。有名な作家であれば、類似の落款画像がヒットし、作家名が判明することがあります。

作家名さえわかれば、インターネットで「作家名 掛け軸 相場」と検索することで、おおよその取引価格を知ることができます。

価値が下がるポイントと正しい保管方法

どんなに名のある作家の掛け軸でも、保存状態が悪ければ価値はゼロに近づいてしまいます。ここでは、査定額を下げる主な要因と、これ以上劣化させないための保管方法を紹介します。

マイナス査定になる主な状態

以下のようなダメージがある場合、修復費用がかさむため、査定額は下がります。

  • 強いシミ(本紙の変色):湿気によるカビが原因であることが多いです。
  • 折れ(シワ):きつく巻きすぎたり、長期間かけっぱなしにすることで発生します。
  • 虫食い:紙や絹を食べる虫による穴。
  • 表装の剥がれ:周りの布地(表装)がボロボロになっている状態。

ただし、自分で修理しようとするのは絶対にNGです。セロハンテープで補修したり、漂白剤を使ったりすると、修復不可能なダメージとなり、価値がなくなってしまいます。状態が悪くても、そのままの状態で査定に出すのが鉄則です。

劣化を防ぐ保管のコツ

掛け軸にとって最大の敵は「湿気」です。保管する際は、以下の点に注意してください。

  1. 桐箱に入れる:桐には調湿作用があり、湿気や虫から守ってくれます。
  2. 風通しの良い場所にしまう:湿気が溜まりやすい押入れの奥や、床下収納は避けましょう。天袋などがおすすめです。
  3. 「虫干し」をする:春と秋の乾燥した晴れた日に、箱から出して風を当てることが理想的です。

時代や種類による価値の傾向

掛け軸には様々な種類(ジャンル)があり、時代ごとのトレンドによっても価値が変わります。最後に、特に価値がつきやすい種類について触れておきます。

茶掛(ちゃがけ)

茶道の席で用いられる掛け軸です。千利休などの茶人や、大徳寺の高僧が書いた「墨蹟(ぼくせき)」などは、茶道愛好家の間で常に高い需要があります。「一期一会」などの禅語が書かれているものが代表的です。

中国掛軸

近年、特に価格が高騰しているのが中国の掛け軸です。中国経済の発展に伴い、かつて日本に渡ってきた中国美術品を買い戻そうとする動きが活発化しています。斉白石(さいはくせき)呉昌碩(ごしょうせき)といった近代中国画家の作品は、オークションで億単位の値がつくこともあります。

仏画(ぶつが)

礼拝の対象として描かれた仏様の絵です。江戸時代以前の古い仏画は、美術品としてだけでなく、歴史資料としても高い価値を持ちます。

掛け軸の価値がわからない時の対処法

ここまで見分け方をご紹介してきましたが、精巧な模写や印刷、あるいは作家名が全く読めない作品など、自己判断が難しいケースは必ずあります。

「価値がないと思って捨ててしまったら、実は国宝級のお宝だった」という後悔をしないためにも、少しでも迷ったら専門家に相談するのが賢明です。

骨董品買取店や鑑定士に依頼する

現在は、LINEで写真を送るだけで簡易査定をしてくれる業者も増えています。「作家名がわからない」「状態が悪い」といった場合でも、プロの目で見れば価値が見出されることは多々あります。

査定だけであれば無料で行っている業者がほとんどですので、まずは「名前を知る」「現在の価値を知る」という軽い気持ちで相談してみると良いでしょう。

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まとめ:掛け軸の価値を見極めて大切に継承しよう

掛け軸の価値を見分けるポイントは、以下の3点に集約されます。

  1. 肉筆か印刷か:ルーペで網点がないかを確認する。
  2. 誰の作品か:落款や署名、そして「共箱」の有無をチェックする。
  3. 状態はどうか:シミや破れがあっても、自分で直さずそのままにする。

掛け軸は、日本の美意識や歴史が詰まった大切な文化財です。一見古びた紙切れに見えても、そこには先人たちが大切に守り抜いてきた物語があります。

もし手元に詳細不明の掛け軸があるなら、ぜひ一度、箱から出して光を当ててみてください。その「見分け方」を知ることで、眠っていた価値が再び輝き出すかもしれません。

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