引っ越しや身の回りのものの断捨離で、まず処分に困るのがたんすではないでしょうか。

たんすは購入するときにかなり高額ではあるものの、買取査定を依頼すると、残念ながら値段がつかないことが多い家具のひとつでもあります。

しかし、そんなたんすの中には高価買取が可能なものもあり、ブランド家具やアンティークとして価値のあるものになると1万円前後になる可能性があります。

この記事では買取可能なたんすの種類や、反対に買取できないたんすにどんなものがあるか、また、たんすをより高価買取してもらうためのコツや、古いたんすの処分方法についてもご紹介します。

ぜひ最後まで読んで参考になさってください。

買取できるたんす

たんすはいわゆる「大物家具」ということもあり、購入するときは数十万円するケースもある高価なものですが、手放すときは値段がつかず、引取をしてもらえればよかったほうだということが多いといえます。

そんななかで買取が可能なたんすもあり、状態によっては高価買取が可能な場合もあります。

買取できるたんすには下記のようなものがあります。

桐たんす・民芸家具などの和家具

桐たんすは使われている木材が歪むことが少なく、軽い木材でできていることから、引っ越しなどでも動かしやすいという利点があります。

さらに、丈夫で防火性や防水性、防湿性が高いため、桐たんすは古くから高級なたんすのひとつとして人気があるもののひとつです。

桐たんすは表面に洋風の家具のような被膜を作る加工は施されていませんが、古くなって白木の色合いがくすんできても、表面を削り直すと新品同様になることや、「洗い替え」といって、経年劣化で汚れた部分をきれいに再生することができ、壊れた部分を修理したりしながら長く使えるのが良い点でもあります。

上記のようなメリットは、優れた技術を持つ桐たんす職人の作ったものには当てはまりますが、ノーブランドの量産品や安価なものは防湿性や耐火性が劣ってしまうといえるでしょう。

また、桐たんすにはさまざまな種類があり、前面のみに桐が使われている「前桐たんす」や、前面と側面に桐が使われている「三方桐たんす」が昔は一般的でした。

後ろの板も桐を使っている「四方桐たんす」やたんすに使うすべての木材に桐が使われている「総桐たんす」になると購入時の価格も高くなり、匠の技を持つ職人が手掛けているものも多くなります。

今は桐たんすというと総桐たんすが一般的になっていますが、作り方によっても価値は変わってくるため、どんなものを購入したのか覚えておくと良いでしょう。

また、家具のなかには「民芸家具」と呼ばれるものがあります。

民芸家具とは、日本各地で国内産の木材を使って職人が作る家具のことで、高名な職人の価格の高いものではなく、庶民に手の届く無名の職人が作るもののことを指します。

民芸家具には、その家具を生み出した地域の風土や生活に根付いた美しさがあるといわれることから、古くから多くの人に愛されるものとなっています。

主要なブランドとして、松本民芸家具、星野民芸家具、北海道民芸家具、筑後民芸家具、駿河民芸家具、飛騨産業、岩屋戸仙台箪笥、加茂桐箪笥などがあります。

これらのブランドのたんすは、民芸家具のたんすのなかでも販売価格が10万円を超えるものが少なくないため、高価買取が期待できると言えるでしょう。

もし使わなくなった民芸家具がある場合には、どこで作られたものかを確認しておくと良いでしょう。

これまで買い取った桐たんすや民芸家具の参考取引価格は下記のとおりです。

海外のアンティーク品

家具を新たに購入する人のなかには、海外のアンティークのものを好んで購入する人もいます。

アンティークと呼べる家具の分類は、30年以上昔のもので、当時の伝統や歴史が感じられることがその目安となります。

海外のアンティーク家具はアールデコやアールヌーヴォーをはじめ、作られた当時の流行が感じられるものが多く、デザインが美しいのが特徴で、愛好家も多いためある程度の需要が見込めることから、高価買取につながる可能性があります。

海外のアンティークと言うと欧米の家具を想像する人が多いかもしれませんが、ヨーロッパやアメリカのものはもちろん、中国やアジアのものなども人気があります。

海外アンティークのたんすを買取してもらいたい場合、気をつけなければいけないのは、ものによっては修復方法の違いから、買取できないケースがあることです。

たんすに使っている木材が無垢のものであったり、希少な材料を使った手間のかかっているもの、また、扉や引き出しの動きがスムーズで丁寧に使われていることが高価買取の条件になってきます。

海外アンティークのたんすを手放したいと考えている場合は、どの国でいつ頃作られたものかを調べておくと良いでしょう。

海外アンティークのたんすの参考取引価格は下記のとおりです。

買取できない（値段がつかない）たんす

ここまで高価買取の可能性があるたんすについてご紹介してきましたが、最初に述べたように、たんすはあまり値段がつくものがなく、なかには買取できないものもあるということを忘れてはいけません。

ここからは買取できないたんすについてご紹介します。

婚礼たんす

高度成長期の頃は、女性は結婚するときに、婚礼の品としてたんす一式を持たされるのが一般的でした。

おめでたい婚礼の品として新たに購入するため、婚礼たんすは基本的に新品であり、中古のものを購入することはありません。

婚礼たんすは重量がかなり重たいものが多く、大きさもとても大きいことが多いため、搬入や搬出に人手が必要になることや、その大きさから売り場で場所を取ること、さらに中古ではなかなか売れないということもあり、買取業者にとって利点のない商品になっています。

そのため、購入するときにどんなに高価であったかは関係なく、買取ができないケースがほとんどだといえるでしょう。

高かったからもったいないと思うかもしれませんが、引取もできないため、買取業者に費用を支払って有料で処分するか、粗大ごみなどで処分するよりないのが現状です。

購入後5年以上経過したノーブランド品

インテリアショップやホームセンターなどで販売されている、ノーブランドの量産品のたんすが買取できるのは、購入後5年までがその目安となります。

5年を過ぎるとノーブランド品の買取ができなくなる理由のひとつが、たんすが清潔であるかどうかです。

たんすは購入した人が直に身につける衣類を収納する家具であることから、清潔であることが何より大切な条件でもあります。

買ってから5年使うと、やはりたんすも汚れや傷みが出てきてしまいます。

たんすのような大きな家具を購入するときは、のちのち必要なくなったときのことを考えてから購入を検討すると良いでしょう。

婚礼たんすの項目で述べたように、買取できないたんすは処分するのも有料になってしまうため、そうしたことも考えておくのが重要です。

たんすを高価査定してもらうためのコツ

高価買取が期待できるたんすや、買取できないたんすについてご紹介しましたが、買取してもらえる場合、下記のようなことに気をつけておくと、より高値での買取ができる可能性があります。

それぞれの条件についてご紹介します。

ホコリなどをとり掃除しておく

先に述べたように、たんすは購入した人が直に身につける衣類を収納する家具であるため、清潔な状態になっていることは最低限の条件と考えておくと良いでしょう。

買取査定に出す場合、どんなものでもそうですが、できる限りきれいな状態になっていることが高価買取の条件でもあります。

引き出しなどにホコリが溜まっていることがないように、きれいに拭き掃除をしてから買取に出しましょう。

子どもが落書きをした跡やシールを貼った跡なども、中性洗剤やアルコールを使えばある程度きれいにできるので、しないよりはいいと考えてできる限りきれいにすれば、多少ですが価格が高くなる可能性もあります。

欠損がないか確認しておく

例えば引き出しや扉の取っ手がなくなっていたり、たんすについている金属製の飾りなどが取れていたりといった欠損がない状態にしておくのも大切なことです。

特にアンティークの場合、昔から付いている部品がなくなることで修復が難しくなり、買取できないということも考えられます。

たんすに使われているパーツや飾りなどに足りないものがないか、買取に出す前に確認しておくことがおすすめです。

買取できない場合の処分方法

古いたんすは買取対象にならない場合が多いことをこれまで述べてきましたが、では、買取ができなかったたんすはどのように処分をしたらいいのでしょうか。

ここでは古いたんすの処分方法についてご紹介します。

粗大ごみとして自治体の収集場所に運搬する

自治体ごとに内容は異なりますが、粗大ごみの廃棄方法はそれぞれの自治体で決まりがあります。

たんすの廃棄にかかる費用は無料ではなく、2,000円～3,000円程度の費用がかかるのが一般的です。

また、自治体の廃棄物処理場などに直接自分で持ち込む場合には、たんすを運ぶのに軽トラックなどの車両が必要になり、持っていない場合にはレンタカー代もかかります。

たんすの回収を依頼できる自治体もありますが、最低でも玄関先まではたんすを出さなければいけなくなるため、大きくて重たいたんすを粗大ごみに出すには人手が必要になります。

ひとりでたんすを粗大ごみに出して処分するとなると、かなり大変なことが分かるのではないでしょうか。

たんすを粗大ごみに出すときの費用や回収については、お住まいの自治体の粗大ごみセンターなどに確認してください。

不用品回収の業者に依頼する

家具や家電などを引き取っている不用品回収業者に処分を依頼すれば、たんすを部屋から出すところから依頼ができます。

たんすが重くて1人ではとても運び出せない場合や、一人暮らしで人手がない人、軽トラックがないなど、たんすを粗大ごみに出すのが難しい人におすすめの方法です。

不用品回収業者であれば、たんす以外の不用品がある場合にもまとめて引き取ってもらえます。

不用品買取業者に家具の引取を依頼する場合、運搬に使うトラックの大きさや、引き取る家具の重量、面積などで価格が決まっているのが一般的です。

婚礼たんすが数点、といった場合には5万円程度の費用がかかります。

不用品買取業者に依頼する場合、引取の費用も業者によって変わってくるので、数社から見積もりを取って比較検討してから依頼するのがおすすめです。

最近はLINEなどを利用して、写真を送ると見積もりをしてくれる業者も増えているので、ネットで業者を探して見積もりを依頼すると良いでしょう。

リサイクルショップに持ち込む

不要な家具の処分方法として、リユースを考えて依頼できる方法のひとつが、リサイクルショップに持ち込む方法です。

ただし、たんすは大型の家具でもあるので、売り場で場所を取ってしまうこともあり、小さなリサイクルショップでは婚礼たんすや古いたんすは引取をしてもらえない可能性があるので注意が必要です。

軽トラックなどを用意してたんすをリサイクルショップに運んでも、引き取ってもらえないとなると、またトラックに積んで家に持ち帰らないといけなくなってしまいます。

出張で引取をしてくれるリサイクルショップもありますが、大きくて重いたんすとなると、運搬や置き場所の関係から断られてしまう可能性もあります。

たんすを引き取って欲しい場合は、あらかじめ電話で連絡を入れ、たんすを引き取ってもらえるかどうかの確認をしておくのがおすすめです。

フリマ・ネットオークションで売る

最近身の回りの不用品を処分するときに利用する人が多い、フリマアプリやネットオークションを利用する方法もあります。

ただし、小さいものであればそうしたものを利用するのも現実的ですが、たんすのように大きいものとなると、あまり向いているとはいえないのが実情です。

ネックになるのは、たんすを送るときの配送料です。

ネットオークションの「ヤフオク！」では、ヤマトホームコンビニエンスの「らくらく家財便」を利用することができますが、たんすのように大きくて重量のある家具になると、2万円～4万円程度かかることが想定されるため、決して安く処分ができるとは限らないことを覚えておくといいでしょう。

また、ブランド家具やアンティークであれば、オークションなどでも買い手がつくかもしれませんが、ノーブランドのものや婚礼たんすとなると、いつまでも買い手がつかず、処分そのものが難しくなる可能性もあります。

引っ越しなどで置いておくのに時間的な制約がある場合には、フリマアプリやネットオークションでの買い手探しをしないで他の方法を考えたほうが無難だといえます。

まとめ

ここまで古いたんすの買取や処分方法についてご紹介しました。

大きくて重たい家具の代表ともいえるたんすですが、身につけるものを入れる家具でもあるため、古くても清潔にしておくことが非常に重要になります。

日頃からきれいにして丁寧に扱うことで、有名な職人のものや民芸家具、海外アンティークなどは高価買取につながるといえるでしょう。

また、買取できないたんすは引取も難しいことを考え、処分方法についても考慮に入れてから業者などに相談するのが無難です。

いらなくなった古いたんすを買取査定してもらうなら、上記のことに気をつけると良いでしょう。

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